Rolf Method NORMAL BODYRandom to Normal
アイダ・ロルフ博士は重力場において、人間の構造的統合を達成するために、全10回からなるシリーズ、ベーシック10セッション・シリーズを開発しました。 ロルフ博士は、身体をどのような順序で構造化するとうまくいくかを、クライアントとの経験を元に導き出し、その道標をrecipe(レシピ)として考案し、プラクティショナーを養成するためにそれを教え、発展させることに、人生の大半を捧げました。 ベーシック10セッション・シリーズは、身体を前後、左右、上下、そして内側と外側をバランスさせ、身体をより機能的にするという、通常であれば、非常に困難であるゴールを、わずか10回のセッションに必要な要素を組み込んでつくられた、系統立てられたモデルです。 特に、ライン(中心軸)を目覚めさせ、身体を重力場において統合(Integration)させる、という考え方は、ロルフメソッドをロルフメソッドたらしめる、大きな価値観、哲学であり、各セッションにおいて、重要視されます。
主に身体の表層に働きかけます。体幹と肩甲帯、骨盤帯のバランスを整え、手、足をより自由に、機能的に使えるようにしていきます。同時に、コアに働きかける前準備、という言われ方もします。
これからのセッションで身体が変化を受け入れやすいよう、身体のパッケージをひらき、呼吸を自由にしていきます。主に胸郭まわり、股関節まわりの表層を解放していきます。 呼吸が整うと、血液の循環を高め、身体の基礎機能が向上します。
足部を組織化する事は、重力場で身体を構築するための土台として、非常に重要となります。主に足関節、足裏の内側、外側のアーチをバランスし、達成していきます。足部が安定し、身体がグラウンディングできるようになると、精神的にも安定感がもたらされます。
表層へ働きかける、最後のセッションとなります。身体の側面に働きかけ、体幹に前後のスペースを作り、次から始まるコアセッションの最終準備を行います。同時に、ライン(中心軸)を目覚めさせるために重要な、ラテラルライン(体側線)を、確立していきます。
主に身体の深層に働きかけます。身体構造を最適化させるよう、中心軸の周りで各体節をバランスさせ、、良好な関係性をもたせていきます。最終的にセッション7で、頭部が中心に載り、自由になるよう、各セッションを作り上げていきます。
骨盤の水平性と骨盤底のサポートが生まれるよう、主に膝と、骨盤底に繋がる内転筋群を解放し、達成していきます。骨盤と脚部の関係性が最適化される事で初めて、コア感覚の目覚めが、可能になります。
水平化された骨盤と脊柱の組織化を身体の前面、主に腹直筋や腸腰筋に働きかける事で達成していきます。同時に、身体構造の統合に必要不可欠な、大腰筋の機能化を最重要視します。順番的、内容的にも、ベーシック10セッションの中心になります。
セッション5に続き、骨盤と脊柱の組織化を背部から行います。主に腰部や、骨盤回旋筋群に働きかけ、仙骨を自由にする事で、達成していきます。また唯一、伏臥位(うつ伏せ)で行われるセッションでもあります。
コアに働きかける、最終セッションとなります。 セッション7の目的、頭部を中心に載せ、自由にする為に、これまでのセッションは行われてきました。主に頭部、頸部、それに繋がる肩甲帯に働きかける事で、達成していきます。これにより、上下を貫くライン(中心軸)が現れてきます。
上、下、全体と3回に渡るセッションで身体構造を統合して行きます。バラバラであった各体節や、パーツに関係性を持たせ、繋げ、重力場で身体をひとつのユニットとして使えるようにしていきます。 セッションにおいては、recipe(レシピ)の要素はより薄れ、自由度が高く、即興的になり、文字通り、2人で奏でる音楽セッション、のようになっていきます。
上肢体、または下肢体、どちらを先にセッションした方が、より統合状態を引き出せるかを判断し、セッションを組み立てます。セッションでは主に、ムーブメント(動き)を使いますが、ロルフメソッドの身体教育の側面が、より強く反映してくると言えるでしょう。ただ身体を整えるだけでは、機能的に使えるようにならないのです。
いよいよシリーズの最終セッションとなります。セッション8、セッション9で統合した上下の肢体をさらにひとつのユニットにすべく、全体を統合していきます。それは、体幹のコアが重力場で安定し、その安定したコアの上で手足が自由に機能するという事、つまり、内側と外側がバランスされているという事です。全てがひとつになり、全体となること、例えるなら、それは禅の円相のような境地なのでしょうか。 10セッション前のランダムとは違う、統合された新しい身体、’’ノーマルボディー“が出現するでしょう。