初回とゆうことで、見知らぬ人に体に触れられる緊張感はあったが、先生は忍び足のように、スーっと間合いをつめ体に触れてくる。今回は呼吸の解放とゆうことで、肋骨まわり、鎖骨まわりをゆっくりと緩めていく。もちろん呼吸は深くなり、気持ちが良いのだが、それよりも、視覚が捉える情報が一気に増え、帰り道は、来た道と違う道のように感じる。
家に着くと、全身にダルさを感じ、普段より早めの就寝となる。
今回は足を整える。足の裏側が特に重要なようで、両足合わせて30分程かけ、丁寧に緩めていく。先生は、踵が後ろに出て、支えが充実している事が大切なのだと、図を使って教えてくれた。足が長くなり、背中側が伸びると聞いていたが、それは感じず。帰り道、足がバネ構造を持つ機械のようになり、歩く事が痛快に感じる。
ほとんどベッドに横向きになった状態で、終始セッションは進む。先生は今回のセッションは、ラテラルライン(体の横のラインを真っ直ぐにする)を作る上で大切だと言っていたが、最後に椅子に座って行うエクササイズで、自分が、ずっと間違った姿勢で立っていた事に気づいた。今回体の変化はあまり感じなかったが、真っ直ぐで無い自分の姿勢に衝撃を受け、自宅の鏡の前で、教えて貰ったエクササイズを繰り返し行った。
今回からコアと呼ばれる深い層へ働きかけるとゆうことで、前日から緊張ぎみであったが、実際には、深い層に働きかけるといった感じはあまり無く、前回と同じような進み具合であった。そこのところを先生に聞いてみると、コアとゆうのは、深い層の意味もあるが、体を主に支えている主要な筋肉の意味合いもあるようで、なるほどそうゆう事かと納得した。帰り道、歩く際の足の運びが、真っ直ぐになっている事に気づく。先生は、このセッションで、コアが目覚めると言っていたが、残念ながらそれは感じない。初回と同じく、全身にダルさを感じ、早めに就寝。
2回目のコアセッション。全部で10回行うロルフメソッドの中心だそうで、確かに扱う場所も腹部辺り、体の中心だ。太もも辺りから肋骨の下辺まで満遍なく触れていく。表面が柔らかくなったところで、ついに深層へ、大腰筋に働きかけていく。生まれてこのかた、こんなところに、こんな大きな筋肉があるなんて知らなかった。終わった後はお腹に何も入って無い?!と感じる程にスッカスカ。先生は、このセッションで大腰筋が目覚めると言っていたが、またもや感じられず、残念。自分は何故、そんなに感覚が鈍いのかと落ち込む。
前回はお腹側だったが、今回は背中側を扱う。仙骨とゆう、背骨の一番下にある、三角形の骨を良く動くようにするらしい。終わって立ってみると、背骨がグィーン!と伸びて、腰の回転がスムーズになり、腰の痛みが無くなっていたのだ。今回は、今までで一番効果が感じられ、こんな私でも違いを感じる事ができるのだと、心を撫で下ろした。
コアの最後セッションである。以前整骨院で、ストレートネックだと言われた事があるので、クビを直してもらいたい。先生に聞いてみると、Yさんは目の水平の感覚がズレてます。との指摘。
先生にそれを調整してもらうと、確かにクビの後ろの張りが収まったが、いつもと違う妙な平衡感覚に戸惑う。やはり私の体感覚は間違いだらけなのか。さらに落ち込む。
あっとゆう間に8回目のセッションを迎えた。部屋に着くなり先生から、頭痛はどうですか?と聞かれ、そういえば、ここのところ酷い頭痛がない!と気づいた。あれだけ頭痛に悩まされていたのに、
そのことにさえ気づかない私は、本当に大丈夫なのか?例によって、せっかくの統合のセッションも、よくわからずおしまい。
前回は下半身の統合だったが、今回は上半身の統合だ。
先生が、肩甲骨とヒジを両方意識して動かして下さいと言うのだが、確かにその運動をした後は、体が繋がっている感じがするのだ。ひょっとしてこれが統合の感覚なのかと、先生に聞いてみると、そうですよ、Yさん、身体感覚が育ってきましたね。と褒めて貰った。終わった後、何故か身長が低くなった気がするのだが、気のせいなのか。
いよいよ最後のセッション。
全体の統合だ。8、9のセッションを合わせて、2で割ったようなセッションである。終わった後、前回と同じように、なんだか体が小さくなった気がする。先生に聞いてみると、体が一つにまとまった感覚ではないですか?と言われ、確かにそうだ!なんとゆうか、アメーバーのように、単細胞生物になった感覚なのだ。最後は先生と別れるのがとても寂しく、部屋を出た後、近くの商店街を2往復もしてしまった。
全10回のセッションが終わって、あらためて振り返ってみると、確かに腰痛はなくなり、ずっと悩まされていた頭痛も減り、体は軽くなり、最後には、アメーバーのような統合の感覚も手に入れていたのだ。自分は感覚が鈍くダメなヤツだと思っていたが、全くの杞憂だったのだ。とどのつまり、体は自分よりも、随分と賢かったのだ。